はちまきの話
折口信夫

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)清《ス》んで

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)即|裳著《モギ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)黒※[#「巾+責」、第3水準1−84−11]

 [#(…)]:訓点送り仮名
 (例)桂[#(ノ)]里

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)わざ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

     一

現在の事物の用途が、昔から全く変らなかつた、と考へるのは、大きな間違ひである。用途が分化すれば、随つて、其意味もだん/″\変化して来る。はちまき[#「はちまき」に傍線]の話は、ちようど此を説明するに、よい例になるだらうと思ふ。
さて、はちまき[#「はちまき」に傍線]は、どういふ処から出たか、と今更らしく言ふまでもないが、被りものゝはちまき[#「はちまき」に傍線]に到るまでに、幾度かの変遷を経てゐる。はちまき[#「はちまき」に傍線]・手
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