拭ひ[#「手拭ひ」に傍線]などは、もとは一つもので、更にはちまき[#「はちまき」に傍線]は、頭に巻くものか、顔を隠すものか、ほゝかむり[#「ほゝかむり」に傍点]するのがほんとうか、と言ふ点になると、色々の問題が含まれてゐる。手拭ひは恐らく、以前は顔を隠すものと、手を拭ふものとの両方面があつたのが、だん/″\手を拭ふ方面へ進んで来たのかと思はれる。
私が沖縄へ行つた時撮つた、かつら[#「かつら」に傍線]やはちまき[#「はちまき」に傍線]の写真があるが、誰でも此を見れば、かつら[#「かつら」に傍線]とはちまき[#「はちまき」に傍線]とは関係のあるものだ、と考へるに違ひない。とにかく、今役者のつけるかつら[#「かつら」に傍線]と、昔の人が被つたかつら[#「かつら」に傍線]とは、同一の起原から出たものだと言ふことだけは訣る。
名高い山城の桂[#(ノ)]里にゐた「桂女」は、一種の巫女であつた事は、色々説明せられてゐる通りであるが、桂[#(ノ)]里に住んでゐたから桂女と称するのか、それともかつら[#「かつら」に傍線]を著けてゐるから桂女と称したのか、尠くとも、二様の見方があるであらう。かつらおび[
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