、横に寝さして組むので、組みあがると、引き綱とつっかひ棒とで起すのである。本祭りの日には、宮の前の大道に縦列を作つて、勢揃へをする。かう言ふ時に、とりわけ喧嘩が多かつた。
だいがく[#「だいがく」に傍線]を動すのは、音頭と太鼓の拍子とである。唄の文句には、別に特有の物はない。此は、此たて物が近世に出来た物だと言ふ事を示してゐるのである。
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大阪《オサカ》出てから、はや、玉造。笠を買|ふ《ウ》なら、深江が名所
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などが、記憶に止つてゐる。其外は「春は花咲く青山辺で、鈴木主水と云ふ士は」などいふやんれぶし[#「やんれぶし」に傍線]の文句を使うた様である。音頭とりは、太鼓打ちや、子どもらと、※[#「竹かんむり/(目+目)/隻」、第4水準2−83−82]の上に乗つて居て、ゆり[#「ゆり」に傍線]甲《カン》と言つた調子で謡ふ。譬へば「大阪はなれてはや玉造」まで謡ふと、総勢が舁き棒から肩をはづして、
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よゝい/\よい/\よい。そこぢやいな/\。あどっこい、どっこいとお なよい/\。よいさ/\/\
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と合唱し
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