やだい」に傍線]といひ、更に転訛して、ゑえでえ[#「ゑえでえ」に傍線]と発音致し候。猶申す迄もなく、こゝに国王即、首里加那志の御奉公を先にいひ、次に聞得大君の御奉公を謡ふべきが今日の順序なるに、君の御奉公を先に謡ひ、国王を次に謡へるは、注目すべき事にて、女人政治又は、聞得大君が、国王の上位にある感情を、表し居るものと察せられ候。
御承知の通り、沖縄にては、男女の語を連結する場合は、すべて、女性を先に称へ居り候。例をあぐれば、左の如くに御座候。
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
女男《ヰナグヰキガ》   妹兄《ヰナイヰキイ》   姉弟《ヰナイヰキイ》   夫婦《ミイトウ》
夫婦《トヂミイトウ》   祖父母《パアプチイ》(又は、ふああふぢい[#「ふああふぢい」に傍線]。ふああ[#「ふああ」に傍線]又は、ぱあ[#「ぱあ」に傍線]は、婆のこと。即、祖母にて、ふぢい[#「ふぢい」に傍線]又は、ぷぢい[#「ぷぢい」に傍線]は、うふぢい[#「うふぢい」に傍線]又は、うぷぢい[#「うぷぢい」に傍線]の略にて、大父の義。即、祖父のことなり)
|若い男女《ミヤラビワカムン》  等。    島袋源
前へ 次へ
全5ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
折口 信夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング