」に傍線]よりは、新しく「ほ」なる語根の意識が変化してからの事と思はれる。後に言ふ「ほがひ」の人々に似た職業の「ほめら」と言ふ部落が四国吉野川の中流以下の地方にある。此は「ほめなむ」「ほめようよ」など言ふにおなじ方言で、此等の職業人が、家々に来て「ほめら/\」とほめさせてくれと要求した為の名で、近世風の者ではあるが、ほぐ[#「ほぐ」に傍線]に近いほむ[#「ほむ」に傍線]のなごりの固定したものと考へる。「まけ柱ほめて造れる殿の如、いませ。母刀自|面《オメ》変りせず」(万葉巻二十、四三四二)は真木柱より其を建て、其様にゆるぎなかれとほぎ言して造つた殿と言ふので、ほぐ[#「ほぐ」に傍線]と殆違はぬ時代の用例である。「ほ」を語根とした語と見えるものに、今一つある。
日本紀の一書に見えるもので、「凡《スベ》て此《コヽ》に諸物皆来聚しき。時に、中臣の遠祖|天《アメノ》児屋命則以|神祝祝之《カムホサキホサキキ》神祝々之。此[#(ヲ)]云[#(フ)][#二]加武保佐枳保佐枳々[#(ト)][#一][#「神祝々之。此[#(ヲ)]云[#(フ)][#二]加武保佐枳保佐枳々[#(ト)][#一]」は1段階小さな文
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