「とこよ」と「まれびと」と
折口信夫

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)常世《トコヨ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)其|儀来河内《ギライカナイ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)まれびと[#「まれびと」は罫囲み]

 [#(…)]:訓点送り仮名
 (例)高天[#(个)]原

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ほと/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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稀に来る人と言ふ意義から、珍客をまれびと[#「まれびと」は罫囲み]と言ひ、其屈折がまらひと[#「まらひと」は罫囲み]・まらうど[#「まらうど」は罫囲み]となると言ふ風に考へて居るのが、従来の語原説である。近世風に見れば、適切なものと言はれる。併し古代人の持つて居た用語例は、此語原の含蓄を拡げなくては、釈かれない。
とこよ[#「とこよ」は罫囲み]の国から来ると言ふ鳥を、なぜ雁のまれびと[#「雁のまれびと」に傍線]と称へたか。人に比喩したものと簡単に説明してすむ事ではない。常世《トコヨ》の国から来るものをまれび
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