「しゞま」から「ことゝひ」へ
折口信夫
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)遡《ノボ》り
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)唯|一言《ヒトコト》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「女+櫂のつくり」、第3水準1−15−93]
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)一言主《ヒトコトヌシ》[#(ノ)]神
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)われ/\
−−
われ/\の国の宗教の歴史を辿つて、溯《ノボ》りつめた極点は、物言はぬ神の時代である。さうした神の口がほぐれかけて、こゝに信仰上の様式は整ひはじめた。歴史も、文学も、其萌しは此時以後に現れたのである。発生期に於ける日本文学を論じる私の企ても、「神語《カミゴト》」のはじまつた時を発足点としなければならぬ。
神語を以て、なぜ文学の芽生えと見るか。口頭の文章が、一回きりにとほり過ぎる運命から、ある期間の生命を持つ事になるのは、此時を最初とするからであ
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