にしておく必要がある。
[#ここで字下げ終わり]
です[#「です」に傍線]の語幹に含まれたあす[#「あす」に傍線]を、あそばす[#「あそばす」に傍線]から出た略語だと信じてゐる人もあるらしい。敬語のあそばす[#「あそばす」に傍線]が、さう単純に、対話敬語「あす」となつたかは、まだ問題である。
候[#「候」は太字] そお[#「そお」は太字]
語原を一つのものとする考へ方は、今も信じられてゐる。併し、語原を一元とする考へ方は、事実から見ると、多くの場合、空想に過ぎない。第一語原によつても成立するが、第二・第三語原が、其に附加して、語の意味は、かつきりと成立して来るものなのである。語原観に到達してゐない語もあるが、ともかく第一次語原とも言ふべきものゝ外に、他の語原解釈を含みながら、語は使はれて、成長して行く。
す[#「す」に傍線]もあす[#「あす」に傍線]から出てゐると見るのが、私は正しいのだと信じてゐる。が、ある時期からは、確かに他の語原観が入りこんで、其が、第一語原を、明らかに崩して来る。さぶらふ[#「さぶらふ」に傍線](候)の歴史は長いが、武家になつて、之を標準語にとり上げたことも、
前へ
次へ
全46ページ中15ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
折口 信夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング