ん》を巻き付かせある。これは何たる奇功も建てずただこの貴婦が特に狆好きだった印しばかりだ。漢の淮南《えなん》王劉安、神仙八人とともに薬を服して天に上った時、その余りを舐めた※[#「奚+隹」、第3水準1−93−66]犬もことごとく昇天し、※[#「奚+隹」、第3水準1−93−66]は天上に鳴き、犬は雲中に吠えた(『神仙伝』四)。その他犬が仙人に従って上天した例多く、韋善俊は唐の武后の時|京兆《けいちょう》の人なり。長斎して道法を奉ず、かつて黒犬を携え烏竜と名づく、世|謂《い》いて薬王と為《な》すという。韓忠献臆すらく、年六、七歳の時|病《やまい》甚だし、たちまち口を張りて服薬する状のごとくして曰く、道士あり、犬を牽き薬を以て我に飼う、俄に汗して愈《い》ゆと、因って像を書いてこれを祀ると(『琅※[#「王+邪」、第3水準1−88−2]代酔編《ろうやだいすいへん》』五)。これも主人に伴れて黒犬も祀られたらしい。
英国のジョー・ミラーは、一六八四年生まれ一七三八年歿した役者で滑稽に富んだ。一七三九年ジョン・モットレイその奇言警句に古今の笑話を加え、『ジョー・ミラー滑稽集』一名『頓智家必携』を著わ
前へ
次へ
全69ページ中24ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
南方 熊楠 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング