度、秋後には米を一度、一年に二度ずつ取らすべしと」。これは代々不具な賤民を貌《かお》の醜きより猿と名づけたと見える。
 終りに述べ置くは、インドとシャムで象厩に猴を畜《か》えば、象を息災にすと信ずる由書いたが、近日一七七一年パリ板ツルパンの『暹羅《シャム》史』に、シャムの象厩に猴を飼い、邪気が厩を襲えば猴これを引き受け象害を免がる。象は天禀《てんびん》猴を愛するとあるを見出した。邪気とは只今学者どものいう邪視で、猴が避雷針様に邪視力を導き去るから、象、難を免るるのだ。前述熊野の牛舎の例もあり、猴を繋ぐは馬厩に限らぬと判る。さて、前年予植物同士相好き嫌いする説をロンドンで出し大いに注意を惹《ひ》いたが、その後|彼方《かなた》よりの来信を見るに、綿羊は常に鹿の蕃殖を妨げ、山羊を牛舎に飼えば、牛、常に息災で肥え太る由一汎に信ぜらるという。ロメーンズの『動物智慧論』にも※[#「魚+王の中の空白部に口が四つ」、第3水準1−94−55]《わに》が太《いた》く猫を愛した例を出す。惟うに害虫駆除とか邪視を避くるとかのほかに、実際、象、馬、牛は天禀猴を好むのかも知れぬ。この事深く心理学者や農学者、獣医諸
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