リシアの日神ヘリオスは光と火を息《いき》する四の雪白馬が牽く車に乗る(第六図[#図省略])。第七図[#図省略]は、デンマーク国古青銅器時代の青銅製遺物で、馬が日の車を牽くを示すらしく、その日に充《あ》てた円盤に、黄金を被せ、美なる螺旋状飾紋あり。
『風俗通』に、馬一匹という事、馬を度《はか》ると一匹長かった故とか、馬死んで売ると帛《きぬ》一匹得たからとか種々の説を列べた中に、〈あるいはいわく、馬は夜行くに目明るく前四丈を照らす、故に一匹という〉とある。それに劣らず怪しい説が西洋の俗間に行われ、馬の眼に物大きく見え、人も巨人と見えるから馬を御し能うという。それにどうしても人に従わぬ馬あるは、その眼の水晶体平らにて物大きく見えぬものか。しからば眼鏡を掛けさすがよい。ただし馬の眼果して物を大に視るとするも、何もかも皆廓大さるるから諸物大小の割合は少しも常態を外《はず》れず、人は馬の眼に依然他の馬より小さく見えるはずと論じた人あり(一九一六年六月二十四日の『随筆問答雑誌《ノーツ・エンド・キーリス》』五〇九頁)。この事は『安政三組盃』てふ講談筆記にもあれど、日本で伝うるところはやや西説と異なり、
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