年の時真言宗の金剛界曼陀羅を見ても何の事か分らず、在英中土宜法竜僧正から『曼荼羅私鈔』を受け読み噛《かじ》ると、塔中《たっちゅう》三十七尊を記せる内、阿※[#「門<((企−止)/(人+人))」、第3水準1−93−48]《あしゅく》、宝生、無量寿、不空成就《ふくうじょうじゅ》の四仏が嬉《け》鬘《まん》歌《か》舞《ぶ》の四菩薩を流出して大日如来を供養し(内四供養《うちのしくよう》)、大日如来|件《くだん》の四仏を供養せんとて香《こう》華《げ》燈《とう》塗《ず》の四菩薩を流出す(外四供養《そとのしくよう》)、塗《ず》とは、〈不空成就仏、塗香を以て供養す、釈迦穢土に出で、衆生を利益せんと、濁乱の境界に親近す、故に塗香を以て穢濁を清む、この故に塗香を以て供養するなり〉とあった。これで香菩薩は焼香、塗菩薩は塗香もて供養すと判った。塗香はざっと英語のアングエントに当り、医学上の立場からアンクション、宗儀上はアノインチングというらしい。油脂|牛酪《バター》等を身に塗り、邪気を避け病毒を防ぎ、また神力を添え心身を清浄にする事で、暖熱の地の民はこれを日常大緊要の務めとする者多く、豕《ぶた》の脂など塗るを地
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