しんちゅう》製の牝馬像のその一に術士が魔力を附けた。因って春日に限らず何日何時どんな牡馬でもこの像を見さえすればたちまち発狂し、※[#「革+橿のつくり」、第3水準1−93−81]《たづな》を切り主に離れこの像に飛び懸りてやまず、あたかもかねて識《し》った美麗の牝馬に再会したようで、烈しく鞭《むち》うつなどの非常手段を施さねば引き分くる事ならずと。今一つのヒッポマネスは往々新産の駒の額に生えいる瘤《こぶ》で、色なく無花果《いちじく》の大きさで毒あり。駒生まれてこの瘤あらば母馬直ちに啖《く》いおわる。しからぬうちは決して乳|哺《ふく》めず。村人|方便《てだて》して母馬が啖わぬうち、切り取って方士に売る。母馬これを嗅げば発狂するという。これ駒の瘤の臭いを聞いて発狂するまで母馬が慕うてふからその瘤を持つ人も他に慕わるという迷信より媚薬として珍重したらしい。キュヴィエー曰く、これは牝馬の胎水中時に見る頑石塊で、諸獣の母が産して娩随《あとざん》を食うと同様の本能から母馬がこれを食いおわるのだろうと。右二様のうち液の方より瘤のやつが強く利くという。この話一向支那書に見えぬが、やや似た事はある。青※[
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