商人その訳を問うと答うらく、この竜女半月中三日斎法を受く、わが兄弟二人この竜女を守る事堅固ならず、離車に捕わるるに及んだで繋がれいる、何卒《なにとぞ》救い助けたまえ、一体竜宮の飲食に種々ある、一度食うて一生懸って消化するもあり、二十年で消化するも七年でするもあれば、閻浮提《えんぶだい》人間の食もある、君もし宮に入って何に致しましょうと馳走の献立を伺われたら、閻浮提人間の食を望みたまえと、問わぬ事まで教えくれた、ところへ竜女来って商人を呼び入れ宝牀褥上に坐らせ何の食を食わんと欲するかと問うので、閻浮提人間の食を望んだ、すると竜女種々の珍饌を持ち来りさあお一つと来《く》る、商人今ここへ来る門辺に竜二疋繋がれあったが何の訳ぞと問うに、そんな事は問わずに召し上がれという、余りに問い返すので余儀なく彼は過ちある故殺そうと思うと答う、商人汝彼ら殺さずばわれ食事せん、釈《ゆる》さぬ内は一切馳走を受けぬと言い張ったので竜女も我を折り、直様《すぐさま》釈す事はならぬが六ヶ月間人間界へ擯出しようと言ってやがてかの二竜を竜宮から追い出した、商人竜宮を見るに種々の宝もて宮殿を荘厳す、商人汝かく快楽多きに何のた
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