鰍驕B皆その脂臭を嗅いで覊絆《きはん》を托※[#「※」は「てへん+曳」、78−8]《たくえい》驚走す、比丘輩我大威徳神力ある故と法螺《ほら》吹き諸|居士《こじ》これを罵る。猟師の習い悪獣の脂を脚に塗り畜生をして臭いを聞《か》いで驚き走らしむるのだ。仏これを聞いてかかる事した比丘を突吉羅《ときら》罪とした(東晋訳『十誦律毘尼序』巻下)。
 アイモニエー曰く、猫|往昔《むかし》虎に黠智《かつち》と躍越法を教えたが特《ひと》り糞を埋むる秘訣のみは伝えず、これを怨《うら》んで虎今に猫を嫉むとカンボジアの俗信ずと。また同国で言うは虎|故《ゆえ》なく村に入るは伝染病流行の兆《きざし》と。熊野で聞いたは狼もっとも痘瘡の臭を好み、この病|流行《はや》る時村に忍び入って患者に近づかんとすと。『山海経』に崑崙の西に玉山あり西王母《せいおうぼ》居る、〈西王その状《かたち》人のごとし、豹尾虎歯にして善く嘯く、蓬髪《ほうはつ》勝を戴《いただ》く、これ天の※[#「※」は「がんだれ+萬」、78−16](※[#「※」は「がんだれ+萬」、78−16]は※[#「※」は「うかんむり+火」、78−16]《わざわい》なり)およ
前へ 次へ
全132ページ中112ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
南方 熊楠 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング