、眞面目でない樣相があらう。是等の不切實な、不眞面目な樣相は懷疑主義の中に於て永久死滅すべき者である。如何に一時[#「如何に一時」に傍点]、輕佻な[#「輕佻な」に傍点]、附和雷同的な青年や俗衆やを動かし得るとするも[#「附和雷同的な青年や俗衆やを動かし得るとするも」に傍点]、之れは所詮死滅すべき要素である[#「之れは所詮死滅すべき要素である」に傍点]。で、若し自然主義にして飽くまでも自然主義的良心に據りて[#「自然主義的良心に據りて」に白丸傍点]時勢と戰つて行くといふ覺悟であるならば、即ち俗流に媚びるといふ樣な不眞面目な要素を去つて動くならば、其れは今日尚ほ存在の理由を有するのである。それで、吾々は之に對して如何なる態度を取らねばならぬか。哲學者は哲學的良心[#「哲學的良心」に白丸傍点]に據て之と戰へ、宗教家や道徳論者は宗教的良心[#「宗教的良心」に白丸傍点]、道徳的良心[#「道徳的良心」に白丸傍点]に據て之と戰へ。若し哲學者なり、道徳論者なり、宗教家なりが、其哲學的なり、道徳的なり、宗教的なりの良心に據らずして、自分の生きた經驗を離れて、生命を失つた形式とか常習とかに據つて自然主義と
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