く理解すべきである。少なくとも理解したような顔をする術を修行すべきである。そのつもりでせいぜい勉強したまえ。そうすると、同郷(!)だからといって××××に拾ってくれる先輩が時に現われないこともあるまい。まあせいぜい辛抱してその時を待ちたまえ。
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
第二条 およそ役人たらんとする者は法規を楯にとりて形式的理屈をいう技術を習得することを要す。
[#ここで字下げ終わり]
法規を盾にとって理屈を言う技術と法律学とは別物である。法律学のような高尚な学問を研究せずとも、法規に精通して形式的の理屈をいい有無をいわせず相手の議論を撃破したり要求をしりぞける技術を修得する必要がある。世の中では、とかく法科万能のなんのといって、いかにも法律的知識ないし技術を蔑視するようなことをいうけれども、いやしくも役人として出世しようとするかぎり、法規を盾にとる術に熟達することを要する。諸君は試みにお役所をたずねてみるがいい。法科出身ならざる役人といえども、いやしくも有能なる役人であるかぎり、すべてきわめてたくみに法規をあやつる術を心得ているのを発見するであろう。われわれ法
前へ
次へ
全12ページ中5ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
末弘 厳太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング