が、侯爵閣下に覆いかかっていた。そして、その影は、彼の馬車が停った時に、火把《たいまつ》の光と入れ換った。それから彼の館の大扉が彼に向って開かれた。
「ムシュー・シャルルがわしを訪ねて来るはずじゃが。イギリスから到著しておるか?」
「閣下《モンセーニュール》、まだ御到著ではございませぬ。」
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    第九章 ゴルゴンの首

 侯爵閣下のその館《やかた》は、どっしりとした建物であって、その前面には石を敷いた広い庭があり、二条の彎曲した石の階段が、表玄関の扉《ドア》の前にある石の露台《テレス》で出会っていた。何から何まで石だらけの建物で、どちらを向いても、どっしりした石造の欄干や、石造の甕や、石造の花や、石造の人間の顔や、石造の獅子の頭などがある。まるで、二世紀前にその建物が竣工した時に、ゴルゴン★の首がそれを検分したかのよう。
 侯爵閣下は馬車から出て、火把《たいまつ》を先に立てて、浅く段をつけた幅広の上り段を上って行ったが、その火把はあたりの暗闇《くらやみ》を掻き乱し、彼方《かなた》の樹の間の厩の大きな建物の屋根にいる一羽の梟から声高い抗議を受けたほどであった。その他《
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