」とスクルージは云った。「聖降誕祭お目出とうだって! お前が目出たがる権利がどこにある? 目出たがる理由がどこにあるんだよ? 貧乏しきっている癖に。」[#「。」」は底本では「」。」]
「さあ、それじゃ」と甥は快活に言葉を返した。「貴方が陰気臭くしていらっしゃる権利がどこにあるんです? 機嫌を悪くしていらっしゃる理由がどこにあるのですよ? 立派な金持ちの癖に。」[#「。」」は底本では「」。」]
スクルージは早速に巧い返事も出来かねたから、また「何を!」と云った。そして、その後から「馬鹿々々しい」と附け足した。
「伯父さん、そうぷりぷりしなさんな」と、甥は云った。
「ぷりぷりせずにいられるかい」と、伯父は云い返した、「こんな馬鹿者どもの世の中にいては。聖降誕祭お目出とうだって! 聖降誕祭お目出とうがちゃんちゃら可笑しいわい! お前にとっちゃ聖降誕祭の時は一体何だ! 金子もないのに勘定書を払う時じゃないか。一つ余計に年を取りながら、一つだって余計に金持にはなれない時じゃないか。お前の帳面の決算をして、その中のどの口座を見ても丸一年の間ずっと損にばかりなっていることを知る時じゃないか。俺の思
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