う通りにすることが出来れば」と、スクルージは憤然として云った、「聖降誕祭お目出とうなどと云って廻っている鈍児《どじ》どもはどいつもこいつもそいつのプディングの中へ一緒に煮込んで、心臓に柊《ひいらぎ》の棒を突き通して、地面に埋めてやるんだよ。是非そうしてやるとも!」
「伯父さん!」と甥は抗弁した。
「甥よ!」と、伯父は厳格に言葉を返した。「お前はお前の流儀で聖降誕祭を祝え、俺はまた俺の流儀で祝わせて貰おうよ。」
「祝うんですって!」と、スクルージの甥は相手の言葉を繰り返した。「だが、ちっとも祝っていないじゃありませんか。」
「では、俺にはそんな物|打遣《うっちゃ》らかして置かせて貰おうよ」とスクルージは云った。「聖降誕祭は大層お前の役に立つだろうよ! これまでも大層お前の役に立ったからねえ!」
「世の中には、私がそれから利益を掴もうとすれば掴めたんだが、敢てそれをしなかった事柄がいくらもありますよ、私は敢て云いますがね」と甥は答えた。「聖降誕祭もその一つですよ。だが、私はいつも聖降誕祭が来ると、その神聖な名前や由来に対する崇敬の念から離れて、いや、聖降誕祭に附属しているものが何にもせよ、
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