いましたよ、本当にさ」と、スクルージの甥は云った。「あの人はまたそう信じているんですね。」
「一層好くないことだわ、フレッド」と、スクルージの姪は腹立たしそうに云った。こう云う婦人達は愛すべきかな、彼等は何でも中途半端にして置くと云うことはない。いつでも大真面目である。
彼女は非常に美しかった。図抜けて美しかった。えくぼのある、吃驚したような、素敵な顔をして接吻されるために造られたかと思われるような――確にその通りでもあるのだが――豊かな小さい口をしていた。頤の辺りには、あらゆる種類の小さな可愛らしい斑点があって、それが笑うと一緒に溶けてしまったものだ。それからどんな可憐な少女の頭にも見られないような、極めて晴れやかな一対の眼を持っていた。引括めて云えば、彼女は気を揉ませるなとでも云いたいような女であった。しかし世話女房式な、おお、どこまでも世話女房式な女であった。
「へん[#「へん」に傍点]なお爺さんですよ」と、スクルージの甥は云った。「それが本当の所でさ。そして、もっと愉快で面白い人である筈なんだが、そうは行かないんですね。ですが、あの人の悪い事にはまた自然《ひとりで》にそれだけ
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