ような機嫌の好さで以て、その同じ甥をじっと眺めているのであった。
「は! は!」と、スクルージの甥は笑った。「は、は、は!」
 若し読者諸君にしてこのスクルージの甥よりはもっと笑いにおいて恵まれている男を知るような機会があったら、そんな機会はありそうにもないが、(万々一あったとしたら、)私の云い得ることはただこれだけである、(曰く)私もまたその男を知りたいものだと。私にその男を紹介して下さい、私はどうかしてその人と知己になりましょうよ。
 疾病や悲哀に感染がある一方に、世の中には笑いや上機嫌ほど不可抗力的に伝染するものがないと云うことは、物事の公明にして公平なるかつ貴き調節である。スクルージの甥がこうして脇腹を抑えたり、頭をぐるぐる廻したり、途方もない蹙《しか》め面《つら》に顔を痙攣《ひきつ》らせたりしながら笑いこけていると、スクルージの姪に当るその妻もまた彼と同様にきゃっきゃっ[#「きゃっきゃっ」に傍点]と心から笑っていた。それから一座の友達どもも決して敗《ひ》けは取らないで、どっと閧の声を上げて笑い崩れた。
「はッ、はッ、はッ、は、は、は!」
「あの人は聖降誕祭なんて馬鹿らしいと云
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