ュ香りのいゝ、油のようなものを塗ってくれました。と間もなく、あの矢の痛みはケロリとなおりました。
 私は気分もよくなったし、お腹も一ぱいだったので、今度は睡くなりました。そして八時間ばかりも眠りつゞけました。これもあとで聞いてわかったのですが、私が飲んだ、あのお酒には眠り薬がまぜてあったのです。
 最初、私が上陸して、草の上に何も知らないで眠っていたとき、小人たちは、私を発見すると、大急ぎで皇帝にお知らせしました。そこでさっそく、会議が開かれ、とにかく、私をしばりつけておくこと、食物と飲物を送ってやること、私を運搬するために、大きな機械を一つ用意すること、こんなことが会議で決まったらしいのです。
 で、さっそく、五百人の大工と技師に言いつけて、この国で一番大きな機械を持ち出すことになりました。それは長さ七フィート、幅四フィートの木の台で、二十二箇の車輪がついています。私が眠り薬のおかげで、ぐっすり何も知らないで眠っている間に、この車が私の身体にぴったり横づけにされていました。だが、眠っている私をかつぎ上げて、この事に乗せるのは大へんなことだったらしいのです。
 まず第一に、高さ一フート
前へ 次へ
全249ページ中8ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
スウィフト ジョナサン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング