か、|遊[#二]松島[#一]記《まつしまにあそぶき》であつたか鴻斎翁《こうさいおう》が始《はじめ》て彼《かれ》の文章を見た時、年の若いに似合《にあ》はぬ筆《ふで》つきを怪《あやし》んで、剽窃《へうせつ》したのであらうと尤《とが》めたと云《い》ふ話を聞きましたが、漢文《かんぶん》も善《よ》く書いたのです、
次《つぎ》に硯友社《けんいうしや》の興《な》るに就《つ》いて、第二の動機《だうき》となつたのは、思案外史《しあんがいし》と予備門《よびもん》の同時《どうじ》の入学生《にふがくせい》で相識《あいし》つたのです、其頃《そのころ》は石橋雨香《いしばしうかう》と云《い》つて居《ゐ》ました、是《これ》は私《わたし》の竹馬《ちくば》の友《とも》の久我《くが》某《ぼう》が石橋《いしばし》とはお茶《ちや》の水《みづ》の師範学校《しはんがくかう》で同窓《どうそう》であつた為《ため》に私《わたし》に紹介《せうかい》したのでしたが、其《そ》の理由は第一|私《わたし》と好《このみ》を同《おなじ》うするし、且《かつ》面白《おもしろ》い人物《じんぶつ》であるから交際《かうさい》して見給《みたま》へと云《い》ふので
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