つこだち》と題《だい》する一冊《いつさつ》を出版しました、是《これ》が大喝采《だいくわつさい》で歓迎《くわんげい》されたのです、此頃《このごろ》軟文学《なんぶんがく》の好著《こうちよ》と云《い》ふ者は世間《せけん》に地を払《はら》つて無かつた、(書生気質《しよせいかたぎ》の有つた外に)其処《そこ》へ山田《やまだ》の清新《せいしん》なる作物《さくぶつ》が金港堂《きんこうどう》の高尚《こうせう》な製本《せいほん》で出たのだから、読書社会《どくしよしやくわい》が震《ふる》ひ付《つ》いたらうと云《い》ふものです、因《そこ》で、金港堂《きんこうどう》が始《はじめ》て此《こ》の年少詩人《ねんせうしじん》の俊才《しゆんさい》を識《し》つて、重《おも》く用《もち》ゐやうと云《い》ふ志《こゝろざし》を起《おこ》したものと考へられる、此《この》時|金港堂《きんこうどう》の編輯《へんしう》には中根淑氏《なかねしゆくし》が居《ゐ》たので、則《すなは》ち此《この》人が山田《やまだ》の詞才《しさい》を識《し》つたのです、其《それ》と与《とも》に一方《いつぱう》には小説雑誌の気運《きうん》が日増《ひまし》に熟《じゆ
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