、某省《ぼうせう》の属官《ぞくくわん》が二人《ふたり》、大阪《おほさか》と横浜《よこはま》とで銀行員《ぎんかういん》が二人《ふたり》、三州《さんしう》の在《ざい》に隠《かく》れて樹《き》を種《う》ゑて居《ゐ》るのが一人《ひとり》、石炭《せきたん》の売込屋《うりこみや》が一人《ひとり》、未《ま》だ/\有るが些《ちよつ》と胸に浮《うか》ばない、先《ま》づ這麼《こんな》風《ふう》に業躰《げふてい》が違つて居《ゐ》るのです、而《さう》して、後※[#二の字点、1−2−22]《のち/\》硯友社員《けんいうしやいん》として文壇《ぶんだん》に立つた川上眉山《かはかみびさん》、巌谷小波《いはやせうは》、江見水蔭《えみすゐいん》、中村花痩《なかむらくわさう》、広津柳浪《ひろつりうらう》、渡部乙羽《わたなべおとは》、などゝ云《い》ふ面々《めん/\》は、此《こ》の創立《さうりつ》の際《さい》には尽《こと/″\》く未見《みけん》の人であつたのも亦《また》一奇《いつき》と謂《い》ふべきであります、
因《そこ》で其《そ》[#ルビの「そ」は底本では「その」]の雑誌と云《い》ふのは、半紙《はんし》両截《ふたつぎり》を廿
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