けいめう》な短編《たんぺん》を盛《さかん》に書いて居《ゐ》ました、其等《それら》を見て山田《やまだ》は能《よ》く話をした事ですが、此分《このぶん》なら一二|年内《ねんない》には此方《こつち》も打つて出て一合戦《ひとかつせん》して見やう、而《さう》して末《すゑ》には天下《てんか》を…………などゝ云《い》ふ大気焔《だいきえん》も有つたのです、
処《ところ》へ或日《あるひ》石橋《いしばし》が来て、唯《たゞ》恁《かう》して居《ゐ》るのも充《つま》らんから、練習の為《ため》に雑誌を拵《こしら》へては奈何《どう》かと云《い》ふのです、いづれも下地《したぢ》は好《すき》なりで同意《どうい》をした、就《つい》ては会員組織《くわいゝんそしき》にして同志《どうし》の文章を募《つの》らうと議決《ぎけつ》して、三人《さんにん》が各自《てんで》に手分《てわけ》をして、会員《くわいゝん》を募集《ぼしう》する事に成《な》つた、学校に居《を》る者、並《ならび》に其以外《それいぐわい》の者をも語合《かたら》つて、惣勢《そうぜい》二十五|人《にん》も得《え》ましたらうか、其内《そのうち》過半《くわはん》は予備門《よびもん
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