に在る! 確に在るやうだ!」
「大相感心なすつてゐらつしやるぢや御座いませんか」
「大きに感心した」
「ぢやきつと胸に中《あた》る事がお有《あん》なさるので御座いますね」
「ははははははは。何為《なぜ》」
「でも感心あそばし方が凡《ただ》で御座いませんもの」
「ははははははは。愈《いよい》よ面白い」
「あら、さうなので御座いますか」
「はははははは。さうなのとはどうなの?」
「まあ、さうなのですね」
彼は故《ことさら》に※[#「※」は「目+登」、481−6]《みは》れる眼《まなこ》を凝《こら》して、貫一の酔《ゑ》ひて赤く、笑ひて綻《ほころ》べる面《おもて》の上に、或者を索《もと》むらんやうに打矚《うちまも》れり。
「さうだつたらどうかね。はははははは」
「あら、それぢや愈《いよい》よさうなので御座いますか!」
「ははははははははは」
「可けませんよ、笑つてばかりゐらしつたつて」
「はははははは」
第 三 章
惜くもなき命は有り候《さふらふ》ものにて、はや其《それ》より七日《なぬか》に相成候《あひなりさふら》へども、猶《なほ》日毎《ひごと》に心地|苦《くるし》く相成候や
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