と思ふより外は無いのだ。
 それに、富山からは切《た》つての懇望で、無理に一人娘を貰ふと云ふ事であれば、息子夫婦は鴫沢の子同様に、富山も鴫沢も一家《いつけ》のつもりで、決して鴫沢家を疎《おろそか》には為《せ》まい。娘が内に居なくなつて不都合があるならば、どの様にもその不都合の無いやうには計はうからと、なう、それは随分事を分けた話で。
 決して慾ではないが、良《い》い親類を持つと云ふものは、人で謂《い》へば取《とり》も直《なほ》さず良い友達で、お前にしてもさうだらう、良い友達が有れば、万事の話合手になる、何かの力になる、なう、謂はば親類は一家《いつか》の友達だ。
 お前がこれから世の中に出るにしても、大相《たいそう》な便宜になるといふもの。それやこれや考へて見ると、内に置かうよりは、遣つた方が、誰《たれ》の為彼の為ではない。四方八方が好いのだから、私《わし》も決心して、いつそ遣らうと思ふのだ。
 私の了簡《りようけん》はかう云ふのだから、必ず悪く取つてくれては困るよ、なう。私だとて年効《としがひ》も無く事を好んで、何為《なにし》に若いものの不為《ふため》になれと思ふものかな。お前も能《よ
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