ろし》く御汲分《おんくみわけ》被下度候《くだされたくさふらふ》。さやうに候へば、其節《そのせつ》の御腹立《おんはらだち》も、罪ある身には元より覚悟の前とは申しながら、余《あまり》とや本意無《ほいな》き御別《おんわかれ》に、いとど思は愈《まさ》り候《さふらふ》て、帰りて後は頭痛《つむりいた》み、胸裂《むねさく》るやうにて、夜の目も合はず、明る日よりは一層心地|悪《あし》く相成《あひなり》、物を見れば唯涙《ただなみだ》こぼれ、何事とも無きに胸塞《むねふさが》り、ふとすれば思迫《おもひつ》めたる気に相成候て、夜昼と無く劇《はげし》く悩み候ほどに、四日目には最早起き居り候事も大儀に相成、午過《ひるすぎ》より蓐《とこ》に就き候まま、今日まで※[#「※」は「厭/心」、460−14]々《ぶらぶら》致候《いたしさふらふ》て、唯々|懐《なつかし》き御方《おんかた》の事のみ思続《おもひつづ》け候《さふらふ》ては、みづからの儚《はかな》き儚き身の上を慨《なげ》き、胸は愈《いよい》よ痛み、目は見苦《みぐるし》く腫起《はれあが》り候て、今日は昨日《きのふ》より痩衰《やせおとろ》へ申候《まをしさふらふ》。
 かや
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