きはま》りて彼等の相擁《あひよう》するは、畢竟《ひつきよう》尽きせぬ哀歎《なげき》を抱《いだ》くが如き者ならんをや。

     (三) の 二

 両箇《ふたり》は此方《こなた》にかつ泣きかつ語れる間、彼方《あなた》の一箇《ひとり》は徒然《つれづれ》の柱に倚《よ》りて、やうやう傾く日影に照されゐたり。
 その待人の如何《いか》なる者なるかを見て、疑は決すべしと為せし貫一も、かの伴ひ還りし女を見るに※[#「※」は「しんにょう+台」、431−13]《およ》びて、その疑はいよいよ錯雑して、しかも新なる怪訝《あやしみ》の添はるのみなり。
 如何《いか》なればや、女の顔色も甚《はなは》だ勝《すぐ》れず、その点の男といと善く似たるは、同じ憂を分つにあらざる無からんや。我聞く、犯罪の底には必ず女有りと、若《も》し信《まこと》なりとせば、彼は正《まさし》く彼女《かのをんな》ゆゑに如何《いか》なる罪をも犯せるならんよ。その罪の故《ゆゑ》に男は苦み、その苦の故に女は憂ふると為《せ》ば、彼等は誠に相愛《あひあい》するの堅き者ならず哉《や》。
 知らず、彼等は何《なに》の故に相率《あひひきゐ》てこの人目|稀
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