《フレンド》、最も悪《にく》むべき者は高利貸ぢや。如何《いか》に高利貸の悪むべきかを知つてをるだけ、僕は益《ますま》す友《フレンド》を懐《おも》ふのじや。その昔の友《フレンド》が今日《こんにち》の高利貸――その悪むべき高利貸! 吾又何をか言はんじや」
彼は口を閉ぢて、貫一を疾視せり。
「段々の君の忠告、僕は難有《ありがた》い。猶自分にも篤と考へて、この腐れた躯《からだ》が元の通潔白な者に成り得られるなら、それに越した幸は無いのだ。君もまた自愛してくれ給へ。僕は君には棄てられても、君の大いに用られるのを見たいのだ。又必ず大いに用られなければならんその人が、さうして不遇で居るのは、残念であるよりは僕は悲い。そんなに念《おも》つてもゐるのだから一遍君の処を訪ねさしてくれ給へ。何処《どこ》に今居るかね」
「まあ、高利貸などは来て貰《もら》はん方が可い」
「その日は友《フレンド》として訪ねるのだ」
「高利貸に友《フレンド》は持たんものな」
雍《しとや》かに紙門《ふすま》を押啓《おしひら》きて出来《いできた》れるを、誰《たれ》かと見れば満枝なり。彼|如何《いか》なれば不躾《ぶしつけ》にもこの席
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