間。世間に貴様のやうな高利貸が在る為に、あつぱれ用《もちゐ》らるべき人才の多くがじや、名を傷《きずつ》け、身を誤られて、社会の外《ほか》に放逐されて空《むなし》く朽つるのじやぞ。国家の為に自重せい、と僕の如き者にでもさう言うてくるるのは忝《かたじけ》ないが、同じ筆法を以つて、君も社会の公益の為にその不正の業を罷《や》めてくれい、と僕は又頼むのじや。今日《こんにち》の人才を滅《ほろぼ》す者は、曰《いは》く色、曰く高利貸ぢやらう。この通り零落《おちぶ》れてをる僕が気毒と思ふなら、君の為に艱《なやま》されてをる人才の多くを一層|不敏《ふびん》と思うて遣れ。
 君が愛《ラヴ》に失敗して苦むのもじや、或人が金銭《マネエ》の為に苦むのも、苦むと云ふ点に於ては差異《かはり》は無いぞ。で、僕もかうして窮迫してをる際ぢやから、憂を分つ親友の一人は誠欲いのじや、昔の間貫一のやうな友《フレンド》が有つたらばと思はん事は無い。その友《フレンド》が僕の身を念《おも》うてくれて、社会へ打つて出て壮《さかん》に働け、一臂《いつぴ》の力を仮さうと言うのであつたら、僕は如何《いか》に嬉からう! 世間に最も喜ぶべき者は友
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