みだ》れに乱るるが常なり。
 火鉢《ひばち》に倚《よ》りて宮は、我を喪《うしな》へる体《てい》なりしが、如何《いか》に思入《おもひい》り、思回《おもひまは》し思窮《おもひつ》むればとて、解くべきにあらぬ胸の内の、終《つひ》に明けぬ闇《やみ》に彷徨《さまよ》へる可悲《かな》しさは、在るにもあられず身を起して彼は障子の外なる縁に出《い》でたり。
 麗《うるはし》く冱《さ》えたる空は遠く三四《みつよつ》の凧《いか》の影を転じて、見遍《みわた》す庭の名残《なごり》無く冬枯《ふゆか》れたれば、浅露《あからさま》なる日の光の眩《まばゆ》きのみにて、啼狂《なきくる》ひし梢《こずゑ》の鵯《ひよ》の去りし後は、隔てる隣より戞々《かつかつ》と羽子《はね》突く音して、なかなかここにはその寒さを忍ぶ値《あたひ》あらぬを、彼はされども少時《しばし》居て、又空を眺《なが》め、又|冬枯《ふゆがれ》を見遣《みや》り、同《おなじ》き日の光を仰ぎ、同き羽子の音を聞きて、抑《おさ》へんとはしたりけれども抑へ難さの竟《つひ》に苦く、再び居間に入《い》ると見れば、其処《そこ》にも留らで書斎の次なる寝間《ねま》に入《い》るより、
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