》ろ富山を不憫《ふびん》に思ふです、貴方のやうな不貞不義の妻を有つた富山その人の不幸を愍《あはれ》まんけりやならん、いや、愍む、貴方よりは富山に僕は同情を表する、愈《いよい》よ憎むべきは貴方じや」
四途乱《しどろ》に湿《うるほ》へる宮の目は焚《も》ゆらんやうに耀《かがや》けり。
「さう有仰《おつしや》つたら、私はどうして悔悟したら宜《よろし》いので御座いませう。荒尾さん、どうぞ助けると思召《おぼしめ》してお誨《をし》へなすつて下さいまし」
「僕には誨へられんで、貴方がまあ能《よ》う考へて御覧なさい」
「三年も四年も前から一日でもその事を考へません日と云つたら無いのでございます。それが為に始終|悒々《ぶらぶら》と全《まる》で疾《わづら》つてをるやうな気分で、噫《ああ》もうこんななら、いつそ死んで了《しま》はう、と熟《つくづ》くさうは思ひながら、唯《たつた》もう一目、一目で可うございますから貫一《かんいつ》さんに逢ひませんでは、どうも死ぬにも死なれないので御座います」
「まあ能う考へて御覧なさい」
「荒尾さん、貴方それでは余《あんま》りでございますわ」
独《ひとり》に余る心細さに、宮は
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