つ》りたりやと、その見る前に身の措所無《おきどころな》く打竦《うちすく》みたり。
「同じですよ。さうは思ひませんか。で、貴方の悔悟《かいご》されたのは善い、これは人として悔悟せんけりやならん事。けれども残念ながら今日《こんにち》に及んでの悔悟は業《すで》に晩《おそ》い。間の堕落は間その人の死んだも同然、貴方は夫を持つて六年、なあ、水は覆《くつがへ》つた。盆は破れて了《しま》うたんじや。かう成つた上は最早《もはや》神の力も逮《およ》ぶことではない。お気の毒じやと言ひたいが、やはり貴方が自ら作《な》せる罪の報《むくい》で、固よりかく有るべき事ぢやらうと思ふ」
宮は俯《うつむ》きてよよと泣くのみ。
吁《ああ》、吾が罪! さりとも知らで犯せし一旦の吾が罪! その吾が罪の深さは、あの人ならぬ人さへかくまで憎み、かくまで怨むか。さもあらば、必ず思知る時有らんと言ひしその人の、争《いか》で争で吾が罪を容《ゆる》すべき。吁《ああ》、吾が罪は終《つひ》に容《ゆる》されず、吾が恋人は終に再び見る能はざるか。
宮は胸潰《むねつぶ》れて、涙の中に人心地《ひとここち》をも失はんとすなり。
おのれ、利を見
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