そで》の端《はし》より、連《しきり》に眉《まゆ》の顰《ひそ》むが見えぬ。
「宮さん、僕は貴方はさう云ふ人ではないと思うた。あれ程互に愛してをつた間《はざま》さへが欺かれたんぢやから、僕の欺れたのは無理も無いぢやらう。僕は僕として貴方を怨《うら》むばかりでは慊《あきた》らん、間に代つて貴方を怨むですよ、いんや、怨む、七生《しちしよう》まで怨む、きつと怨む!」
 終《つひ》に宮が得堪《えた》へぬ泣音《なくね》は洩《も》れぬ。
「間の一身を誤つたのは貴方が誤つたのぢや。それは又間にしても、高が一婦女子《いつぷじよし》に棄てられたが為に志を挫《くじ》いて、命を抛《なげう》つたも同然の堕落に果てる彼の不心得は、別に間として大いに責めんけりやならん。然し、間が如何《いか》に不心得であらうと、貴方の罪は依然として貴方の罪ぢや、のみならず、貴方が間を棄てた故《ゆゑ》に、彼が今日《こんにち》の有様に堕落したのであつて見れば、貴方は女の操《みさを》を破つたのみでない。併《あは》せて夫を刺殺《さしころ》したも……」
 宮は慄然《りつぜん》として振仰ぎしが、荒尾の鋭き眥《まなじり》は貫一が怨《うらみ》も憑《う
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