》にしても思はん。で、ああして睦《むつまし》う一家族で居つて、私たちも死水を取つて貰ふ意《つもり》であつたものを、僅の行違から音信不通《いんしんふつう》の間《なか》になつて了ふと謂ふは、何ともはや浅ましい次第で、私《わし》も誠に寐覚《ねざめ》が悪からうと謂ふもの、実に姨《をば》とも言暮してゐるのだ。私の方では何処《どこ》までも旧通《もとどほ》りになつて貰うて、早く隠居でもしたいのだ。それも然しお前さんの了簡が釈《と》けんでは話が出来ん。その話は二の次としても、差当り誤解されてゐる一条だ。会うて篤と話をしたら直《ぢき》に訳は分らうと思ふで、是非一通りは聞いて貰ひたい。その上でも心が釈けん事なら、どうもそれまで。私はお前さんの親御の墓へ詣《まゐ》つて、のう、抑《そもそ》もお前さんを引取つてから今日《こんにち》までの来歴を在様陳《ありようの》べて、鴫沢はこれこれの事を為、かうかう思ひまする、けれども成行でかう云ふ始末になりましたのは、残念ながら致方がウい、と丁《ちやん》とお分疏《ことわり》を言うて、そして私は私の一分《いちぶん》を立ててから立派に縁を切りたいのだ。のう。はや五年も便《たより》
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