やうに燈籠に倚《よら》しめ、頬杖を※[#「※」は「てへん+主」]《つか》しめ、空を眺めよと教へて、袂《たもと》の皺《しわ》めるを展《の》べ、裾《すそ》の縺《もつれ》を引直し、さて好しと、少《すこし》く退《の》きて姿勢を見るとともに、彼はその面《おもて》の可悩《なやまし》げに太《いた》くも色を変へたるを発見して、直《ただち》に寄り来つ、
「どうしたのだい、おまへ、その顔色は? 何処《どこ》か不快《わるい》のか、ええ。非常な血色だよ。どうした」
「少しばかり頭痛がいたすので」
「頭痛? それぢやかうして立つてをるのは苦いだらう」
「いいえ、それ程ではないので」
「苦いやうなら我慢をせんとも、私《わし》が訳を言つてお謝絶《ことわり》をするから」
「いいえ、宜《よろし》うございますよ」
「可いかい、本当に可いかね。我慢をせんとも可いから」
「宜うございますよ」
「さうか、然し非常に可厭《いや》な色だ」
彼は眷々《けんけん》として去る能《あた》はざるなり。待ちかねたる子爵は呼べり。
「如何《いかが》ですか」
唯継は慌忙《あわただし》く身を開きて、
「一つこれで御覧下さい」
鏡面《レンズ》に
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