れば御飯をお附け申しますから、貴方も只今の御返事をなすつて下さいましな」
「返事と言はれたつて、有仰《おつしや》ることの主意が能《よ》く解らんのですもの」
「何故《なぜ》お了解《わかり》になりませんの」
責むるが如く男の顔を見遣れば、彼もまた詰《なじ》るが如く見返しつ。
「解らんぢやありませんか。親い御交際の間でもない私に資本を出して下さる。さうしてその訳はと云へば、貴方も彼処《あすこ》を出る。解らんぢやありませんか。どうか飯を下さいな」
「解らないとは、貴方、お酷いぢやございませんか。ではお気に召さないのでございますか」
「気に入らんと云ふ事は有りませんが、縁も無い貴方に金を出して戴く……」
「あれ、その事ではございませんてば」
「どうも非常に腹が空《す》いて来ました」
「それとも貴方|外《ほか》にお約束でも遊ばした御方がお在《あん》なさるのでございますか」
彼|終《つひ》に鋒鋩《ほうぼう》を露《あらは》し来《きた》れるよと思へば、貫一は猶《なほ》解せざる体《てい》を作《な》して、
「妙な事を聞きますね」
と苦笑せしのみにて続く言《ことば》もあらざるに、満枝は図を外《はづ》され
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