から、面白い点を中心にして紹介してみよう。
 この話では、「浦島太郎」の乙姫様は、もう竜王の御妃になっている。それから、やはり亀が出て来る。
 むかし、竜宮の王様の御妃が、お産の前になって、猿の肝が食べたいと、妙なことを言い出されました。その望みを、どうかしてかなえてやりたいものだと、竜王は考えられて、知恵の多い亀を呼んで、相談されました。
 亀は承知しまして、はるばる陸地の方へやって来て、海岸の小山で遊んでいる猿を見つけました。
「猿さん、猿さん、竜宮へ遊びに行かないかい。竜宮には、面白い大きな山もあれば、うまい御馳走もたくさんあるよ。行く気があるなら、わしがおぶっていってあげるがな。」
「なんだって、面白い大きな山が、竜宮にあるのかい。」
「あるとも、あるとも。さあ、わたしの背中に乗りなさい。」
 猿はうっかりだまされて、亀の背中に乗り、竜宮見物に出かけました。
 竜宮に着いてみますと、聞きしにまさる美しい御殿でした。門のところで、猿はちょっと待たされて、ぼんやり御殿の方を眺めていますと、門番の海月が笑って言いました。
「猿さん、なんにも知らないな。竜王様の御妃が、猿の肝が食べたい
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