外には薄く霧がかけていた。
彼は或る計画を立てるつもりだった、もしくは、或る解決の途を定めるつもりだった。――濃霧の中にでも鎖されたような自分自身を彼は感じた。九州行きの問題も、自然立消えのようでいて、実はまだ宙に浮いていた。片山禎輔の告白によって、片山夫妻と自分との間に、新たな引掛りが出来てきそうだった。宮原俊彦に対しても、このままでは済みそうにない何かが残っていた。そして沢子! 彼女一人が、それらのものの中に半身を没しながらも、俊彦との関係や禎輔の批評などを引きずりながらも、なお高く光り輝いているように、彼の眼には映ずるのだった。そして、その沢子を得るには、どうしたらよいかを彼は考えた。慎重にやらなければいけない、とそう思った。不思議にも、この慎重ということが、今の場合彼には大事だった。もし軽率なことをしたら、高く輝いている沢子までが、いろんなごたごたしたものの中に沈み込んでしまいそうだった。そうしたら、自分自身がどうなるか分らない気がした。どんなことがあっても、沢子だけは高く自分の標的として掲げておきたかった。――そういう彼の気持を強めたのは、一つは亡き母のことだった。彼は母に
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