に楽で、脈搏は弱いけれど強い。
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少し不安になる。或は中毒の前駆期ではないかと思う。暫く薬を止さなければいけない。
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十月二十七日――夜、書物を読んでみたが、どうもよく頭にはいらない。頭のしんに石でもつまったような心地。虫の声が耳について煩い。煩い余りに、ぼんやり聞くともなく聞いていると、階下《した》で低い話声がする。Y子の声のようだ。そんな筈はないと思っても、どうしてもY子らしい。余り不思議なので、遂に堪りかねて降りていった。母が一人でぽつねんと針仕事をしている。誰か来てはいなかったのですかと聞くと、母は妙な顔をして誰も来ないと答える。
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その後で、二階にじっとしてると、また低い話声がする。Y子のようであれば、E子のようでもある。余り変なので、再び降りて行ったが、やはり誰も来ていない。
そういうことがも一度あった。気の迷いにしては余り何度もだから、試みに母を二階に連れてきた。何にも聞えないと母は云う。なるほど話声は
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