羽織と着物とを差上げるつもりでいました。けれど、今の所そうしない方が宜しいようですから、そのために取って置いたのを為替にして入れて置きました。気を悪くしないで受取って頂けることと存じます。
横田が、あなたに逢っていろいろ話したいこともあるが、今暫くはやはりこのままでいたいと、そう申しております。それから、村田さんのお話ですが、水曜の晩に忘年会をするから横田へも是非出てくれとのことでした。出席すると答えておいたから、あなたからその晩、急な用で欠席する由を皆さんへ伝えてほしいとのことです。
余り長くなりますからこれで筆をとめます。何事もやがてよくなりますでしょう。心配なさらないで、あなた自身をしっかり守っていって下さい。御自重を切に切に祈っております。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]保子
井上周平様
[#ここから2字下げ]
追白――この手紙は横田にも見せました。……私はあなたをお訪ねしたく思っていますが、それも止します。……当分のうちお互に手紙も差控えましょう。……あなたが私を信じて下さるように、私はあなたを信じております。お互に正しい途を進みましょう。
[#ここで
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