ってお気の毒様ね。私の方もお気の毒様よ。私ね、あなたが……あの、横田さんの奥さんと関係があることだとばかり思ってたわ。私逢ったことはないけれど、その奥さんとあなたを張り合うのが一寸面白かったのよ。馬鹿々々しいことを考えたものね。それがうまくすっぽかされちゃったんだから、世話はないわ。今時分は、竹内さんが舌でも出して笑ってるでしょうよ。」
彼女はやけに瓶を振って底の方に残ってた酒を二つコップについだ。
「これで何もかもおしまい!」
周平は何のことだか分らなかったが、差出された一つのコップを取って、彼女と一緒にぐっと飲み干した。
がその後で、彼は捨身になれなくなった。お清の云った言葉から、心が深い所へ沈み込んでいった。何を考えてるのか自分でも分らない瞑想に浸って、黙って火燵布団の上に顔を伏せた。
「いつまでこうしてても仕様がないわ。」
苛立った声でお清は云って、つと立ち上った。そして向うの襖を開いた。周平はぼんやり顔を挙げた。見ると、押入だと思っていたのは、二疊か三疊かの室だった。行李やバスケットなどの散らかってるのが見えた。お清はその横の方から、夜具を引張り出してきた。
周平は
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