かというと、周平や村田などの仲間ではなかった。勿論、彼等と交際はしていたし、水曜日の横田の書斎へも二三度顔を出したことはあったが、学校を途中で止して、文士連中の臀にばかりくっついて歩いていたので、自然と彼の生活はその大部分が、彼等の視野の外にはみ出していた。いつもこてこてと髪をなでつけて、金口《きんぐち》の煙草を吹かしていた。
周平は竹内とお清との間について、我にもない一種の反感の念から、一寸好奇心をそそられた。蓬莱亭から出て帰り途で、彼は竹内に尋ねた。
「君はあの家へ屡々行くんですか。」
「なぜ?」
「だいぶ女中達と懇意なようだから。」
竹内が何か云おうとしてるまに、他の者がくすりと笑った。それで竹内はあははと大声に笑い出した。
周平は変にすっぽかされた気持になった。
やがて竹内は、吸いさしの煙草を強く地面に抛りつけて、ぱっと散る火の粉を見やりながら云った。
「懇意はよかったな。何とかで……虐待されて懇意かな、下手な川柳にでもありそうだ。」そして彼は急に周平の方を向いた。「君は又いやに水を向けられてたじゃないか……あのお清にさ。だがあんなのは止し給え。女中頭って格で威張りくさ
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