揚物《あげもの》の中にも、鯉《こい》の丸煮《まるに》の中にも、その他いろんな見事な料理の中には、みな強い酒がまぜてありましたし、それを食べながら、さらに大きな杯《さかずき》でがぶがぶ飲んだものですから、二人が酔っぱらうのも無理はありません。爺さんは、自分から浮かれだしてきて、歌をうたい始めました。
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酒をとうべて、たべ酔うて、とうとこりんぞや、もうでくる、なよろぼいそ、もうでくる、タンナ、タンヤ、タリヤランナ、タリチリラ。
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すると大天狗は、緋《ひ》の衣《ころも》の裾《すそ》をからげ、羽うちわで拍子《ひょうし》を取り、おもしろい足取りで、踊り出しました。
そういうふうにして夜遅くまで酒盛《さかも》りをしてるうちに、とうとう二人は酔いつぶれて、そこにぐっすり眠ってしまいました……。
夜明け近くになった頃、爺さんは喉《のど》が渇いてきて、眼を覚ましました。見ると、大きな天狗が、赤い顔をなおまっ赤にし、高い鼻の穴をふくらましていびきをかきながら、自分の側にぐったりと眠ってるではありませんか。爺さんはびっくりして飛び起きました。そしてしば
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