正直だと思うか、それとも、少し変だと……。」
良一は返事に迷った。そしてふと、川村さんに対する伯父の言葉を思い出した。
「尤も、変だと云えば、僕だってそうだが……。正気の沙汰じゃないと云われたことがある。」
「誰にですか。」
「たしか、君の伯父さんだった……そしていろいろな意見をされた。」
良一はぽかんとした。川村さんは苦笑していた。
「実は……今日、伯父に相談にいってみたんです。」
「相談だって……。」
良一は仕方なしに、金策のことを伯父に頼みにいったことを、そしてうまくいかなかったことを、うちあけた。
川村さんは笑いだした。晴れやかな笑いだった。
「それゃ、駄目だよ。僕の方が先に話しちゃった後だからね。どうも、不思議なまわり合せだね。伯父さんのところへ行って、それからまた竹山に逢って……。」
川村さんは急に顔を曇らせた。そしてひどく真面目な調子になった。
「これも何かの縁だ。君にすっかり話してあげよう。だが、もう遅いし、ここの家じゃ迷惑だろうから……構やしない一緒に来給え。」
川村さんは勘定をすました。その時、女中がそっと云った。
「あの……もうじきに参る筈ですが……。
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