のうちに、彼女の生命の保証を、生きんとする生命の力の微光を探し求めた。
 枕頭の病床日誌を取ってみると、その中に挾んである熱と脈搏と呼吸との三色の線の交錯が高低をなして続いていた。
「手を見せてごらん。」
「え、なあに?」そう云って光子は蒲団の外に片手を出した。
 壮助はその手首を取ってみた。軽い脈搏が、その中に熱を持っているような血潮の流れが、彼の指頭に感じられた。
「まだ生《い》きる、生きなければいけない!」彼はそう心の中に呟くと、どうしていいか分らないような感情が一杯こみ上げて来た。そして彼女の掌をじっと握りしめた。その掌がかすかに痙攣するように感ずると、彼は自分の上に据えられている露《あら》わな二つの眼を見た。
 避けられないものが二人の眼の中に在った。魂がじっと向き合っていた。息をつめたようなものがじりじりと迫ってきた。そして壮助は掴み取らるるような引力を自分の眼附のうちに感ずると、はっと我に返った。
 光子は眼を外《そ》らしてぼんやり空間を見つめていた。凡てが静かで動かなかった。そして壮助ははらはらと涙を落とした。
「どうしたの?」
 そう云って光子の眼がまた彼の方に向けら
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