達の話をかぎつけようとしてるんだい。今日ばかりはもう白状しないとこのままには置かないから、そう思うがいい。」
「俺は何も知らないんだい。もう之からしないからよう……。」
と庄吉は泣声を立てた。
「何だと、まだ図々しい口を利きやがって……。」
 金さんは酒に酔っぱらってどろんとした眼でじっと見ていた。堅吉と繁とは片隅に小さくなって坐っていた。緊張した時間が一瞬間続いた。
 小母さんはいきなり火鉢から沸立っている鉄瓶を取り上げた。
「この餓鬼野郎いわなけりゃあこうしてやるぞ。」
 熱湯が一滴庄吉の首筋に垂らされた。庄吉は心臓の底までびくりと震えた。
 再び熱湯が垂らされようとする時、庄吉はがばとはね起きた。そしていきなり鉄瓶を小母さんの顔に叩きつけてやった。
 あッ! といって小母さんは倒れた。
「何だ?」と金さんも立ち上った。
 庄吉は身を交わして裏口から走り出た。
 庄吉はただむやみと駆け続けた。赤い灯がちらちらと彼の眼に映じた。そしてそれが益々彼の心を向うへ向うへと追い立てた。然しいつしか彼は呼吸が苦しくなり足が疲れて、今にも倒れそうになった。立ち留ると誰も彼を追っかけて来る者もなか
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